イギリスのVISA
先日は大プロジェクトであった
「イギリスのビザを取得する。」
の終焉が見えて、大変気が抜けておりました。
私の夫は両親がイギリス人、祖父母までさかのぼってもイギリス人の人です。
2012年に制定された新しいビザのルールにより、
イギリス人と結婚した非欧州圏の配偶者ビザに様々な制約が足されました。
一番我々が困ったものは、イギリス人側の年収の証明です。
年間日本円にして300万以上。(年18,6000ポンド)
この年収を稼いでいるイギリス人は国内で半分以下。
また申請料は20万ちかくするし、年々は額は上がる。ビザの有効期限も2年。
それだけではなく、様々な試験や公式の書類を発行するのにかかる費用で
配偶者ビザ取得にかかる費用は50万とみている人もいました。
もし相方がこの年収だったとしても、
私に対してあきらかに不利にさせようとしている動向が見えるし、
このビザで住んでも将来いきなりビザが発行されなくなるのだろう。と思いました。
(現在の保守党政党では。なので政党が変わればビザのルールも変わるかもしれません。)
こんなにお金もかかるし、あきらかに差別的なこのビザを取得してまで住むことはない。
という感じであきらめておりました。
なので当時はすごい絶望と怒りで満ちていて、すごい卑屈でした。
(2015年時点)
今はなんだろう、政治って変わるし、理不尽なこともたくさんあるし。
怒りって、それがマイナスのことに対してだったら
自分に対してもマイナスにしか生み出さないので。
そこで見つけたのがEEA-Family-Permitというものです。
これはEUの法律のですか。
ヨーロッパ人(EU加盟国出身の人間)はヨーロッパ内(EU加盟国内)だったらビザなしで居住・就労が可能です。
(社会保障も受けることができます。これは問題だと思います本当)
その権利は法律によりそのヨーロッパ人の家族まで適応されます。
この権利が発動するのは
EU加盟国出身の人間がその者の母国以外のEU圏の国で就労・居住を主にしている場合
です。
現に今イギリスに住んでいる国際結婚のカップルは
日本人とポーランド人、とかイタリア人、フランス人、ルーマニア人など
日本人とイギリス人でない場合が多いです。
なぜ日本人とイギリス人がイギリスに住む際には適応されないかというと、
イギリスに住むイギリス人はEU国出身の者としてみなされるのではなく、イギリス人としてみなされます。そのためイギリスの法律が優先的に適応されるからです。
私達は現在ドイツに住んでいますが、まさにこの法律の下で暮らしています。ドイツはドイツ人と結婚したその配偶者に対してイギリスほど厳しい措置をとっていませんので、私達のようにはならないと思います。(ビザを持つ日本人の配偶者の配偶者ビザまでおりていますから、、、、)
そしてこんな状況のイギリス人と非EU圏のカップルが使うルートとして、
Surinder Singh スリンダーシン
というものを見つけました。
これは、まずEU加盟国のどこかに2人で一定期間居住・就労をし、
イギリスへEU市民としてイギリスへイギリス外からEEA-Family-Permitのビザを申請するというものです。
この方法ですと、EUの法律が優先的になりますので、
収入のバリアもなく、申請料も無料です。
初めてこれを知ったときにweb上では今ほど情報がありませんでした。
日本語で検索しても出てくるのはイギリス人ではないEU国出身の人と日本人のカップルばかり、。
今でも見当たりませんが、、、。
そこで、私達はベルリンに引っ越すことにしました。(2015年)
最初は半年の予定でしたが、人間の人生ってそんなにゲームみたいにいきませんよね。
その頃イギリスの政治の雰囲気がとても悪かったので(EU離脱、UKIPなど外国人への排他的な感情)、
結果ベルリンに3年いることになります。
でもやはり、いまいち地に足がつかなくてすごくふわふわしていたかなあ。
ドイツ語だから仕事にも限りがあって、高校生に戻ったみたいだな、、、とか思っていましたし。
日本でずっと活動していて、ベルリンにいる時も活動の場は日本でしたので毎日
「なんでここにいるんだろう」友人もやりたい仕事も家族も日本にあるのにという問いが抜けませんでした。
その生活を抜け出すために、大学院にも毎年様々な場所に応募しましたが、どこも落ちてしまいました。
EU離脱が決まった後に、さあここでイギリスに帰らないともう一生帰れないかもしれない。ということになりました。
そのためアートの活動を欧州で軌道にのせるために私はロンドンの大学院に応募しました。
ロンドンのアートシーンは私の一番の好みで、本心では一番行きたいと思っていた学校です。学費が高額であることやロンドンという立地を気にして今まで受けようと思っていませんでした。学費のことは後で考えよう。そう思って受けたところ、
私はEUの学生として試験に受けられることがわかりました。EUの学生とインターナショナルの学生では学費が変わります。インターナショナルの学生の学費はそれこそ、ビザの年収と同じ300万。たっか。EUの学生は130万です。それでも高いんですが。
ポートフォリオをウェブ上で制作して提出、面接に呼ばれて、面接。
その場で合格をもらいああ、よかった。一安心。(2017年)
その後、7月頃にイギリスに帰ろうということで、いよいよ
EEA-Family-Permitを申請することに。(2018年1月)
私達はお金がないのとどーーも自分達でやっちゃいたいのです。
クリエイターですから、2人とも、自分でやらないとね。
まず
ここで必要書類をチェック。我々はもちろん
6.Surender Singhの項目を入念にチェック。
あら、下の方にこんな注意書きが、、
Your application will be refused if it looks like you’ve only lived in another EEAcountry to gain entry to the UK by making a ‘Surinder Singh’ application.
申請がSurinder Singhのために加盟国に住んでいたとみえたら、却下します。
だって。こわー。追い打ち感すごいなあ。あなたの国の国民追い出す気満々。日本政府にこれやられたら私もんのすごい腹立ちますけれど。相方はそうでもないんだよな。怒っているけど、日本人のような「親のように信じていたのに裏切られた」とかのショックではなくて、元から「政府は信用しないものだ」だからか。
つかこれ私達!最初の最初はそのために引っ越してきたわよ。
少し不安に。。。。なりますね。いや3年住んでて、我々働いてるし
保険もちゃんと払ってるし、税金も払ってるし。家も探して住んでるし。
悪いことなんかひとつもしてないし。
さて計画から4年、日本とイギリス、お互いの故郷を捨てて、ベルリンへとエクザイルした我々が
ついに申請に!!!
つづく